コラム

ドーピングニュース

サプリメントからリップクリームまで。 2016年のステロイドによるドーピング違反事例

ステロイドによるドーピング違反は毎年のように報告されています。今回は2016年に報道された、ステロイドによるドーピング違反事例についてご紹介します。

サプリメントからステロイド

2016年4月、日本自転車競技連盟(JCF)の公式スポンサーである、(株)梅丹本舗の梅エキス由来のサプリメント「古式梅肉エキス」と「トップコンディション」から「ボルジオン」と呼ばれるステロイドが検出されました。
発覚後の分析報告によると、ステロイドの量はサプリメントを通常量服用してもドーピングにはならないと考えられる量でした。
とはいえ、この一件により、これまで安全性が高いとされてきた天然成分由来の製品でも、必ずしも安全性が高いとは言いきれなくなりました。

豚肉でドーピング?食品汚染の可能性

9月には、中国プロサッカーリーグの山東魯能に所属する金敬道選手から「クレンブテロール」が検出されました。クレンブテロールは医薬品として喘息の治療に使用することがある成分で、筋肉増強作用を現す蛋白同化作用を持ちます。
クレンブテロールが検出された原因は分かりませんが、かつて中国では赤身が多く引き締まった豚肉を好んで食べていた歴史があり、それが関係しているのではないかと言われています。
クレンブテロールを豚に摂取すると赤身の部分が多くなり、硬い食感となります。真偽については想像の域を出ませんが、現在も養豚業者がクレンブテロールを使用している可能性があり、同選手が豚肉経由で口にしてしまったのではないかと考えられます。

リップクリームにステロイド

10月には、クロスカントリースキー女子の元五輪金メダリストであるテレーセ・ヨーハウグ(ノルウェー)選手から「クロステボール」というステロイドが検出されています。
クロステボールは、イタリアでの遠征中にチームドクターから渡された「トロフォデルミン(Trofodermin)」という唇の日焼け止め用のリップクリームに含まれていました。
同選手は、製品に「ドーピング検査で陽性になる可能性がある」と記載されていたにも関わらず使用してしまったようです。最終的には、1年2ヶ月間の資格停止が科せられました。

2016年はその他にもトゥリナボル、スタノゾロール、ナンドロロン、テストステロン、ドロノスタノロンといったステロイドの使用が報道されています。
意図的なドーピンは言うまでもないことですが、意図的ではない「うっかりドーピング」が一件でも少なくなるよう、関係者の知識の向上、協力体制の強化が必要ではないでしょうか。