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ジャマイカはなぜ失格に?原因はメチルヘキサンアミン

2017年1月25日、2008年北京五輪のドーピング再検査をしたところ、ジャマイカの陸上男子短距離、ネスタ・カーター選手から禁止物質「メチルヘキサンアミン」の陽性反応が出たことを受け、400メートルリレーで優勝したジャマイカが失格となるとの発表がされました。

メチルヘキサンアミンとは

メチルヘキサンアミンは興奮薬として禁止されているドーピング禁止成分です。天然ではゼラニウム油などに含まれており、後に誤報とわかりましたが、日本では2015年にペットボトルのハーブティーに入っているのではないかと噂にもなった成分です。
海外産のサプリメントなどには混入していることが多いと考えられているため、海外製品を摂取する時は注意が必要です。

禁止表にはないのになぜ失格?

今回、話題となっている2008年北京五輪時のドーピング禁止表を確認すると、メチルヘキサンアミンは明記されていません。
しかし、2011年より禁止成分として明記されるようになりました。ではなぜ失格となったのでしょうか。

それはドーピング禁止リストの興奮薬の項目の文頭に書かれている文章を見ればわかります。
「すべての興奮薬は・・・(中略)・・・禁止される。」

ドーピング禁止リストに成分が明記されていないからといって、摂取しても良いわけではないのです。こういった曖昧なドーピング禁止成分の表現を、オープンリストと呼びます。

ママドゥ・サコー選手も同じような理由

2016年夏、サッカーのプレミアリーグ・リヴァプールFC所属のママドゥ・サコー選手が、気管支拡張作用などがあるβ作動薬「ヒゲナミン」により失格となった件も、オープンリストが関わっています。
ドーピング禁止リストには「すべてのβ作動薬は禁止される。」と表記されているだけで具体的に「ヒゲナミン」は明記されていませんでした。また、天然にも存在する成分だったために防ぐことが困難だったのではないかと議論されているのです。

チーム戦の一員が陽性となったら

スポーツは個人戦だけではなくて、チームで行うものも多くあります。団体競技で一人がドーピングで失格となった場合、以下のような対応となります。

1.個人成績の抹消
2.チームとしての競技成績の抹消

オリンピックの場合、チームで授与されたメダルは剥奪されてしまいます。
どんな理由があっても、ドーピングは許されるものではありません。とはいえ、天然にも存在する成分で、禁止成分として明確な表記がされていないものが理由で失格として扱われるのは非常に違和感を覚えます。ドーピングに関する正しい情報提供が選手に行われるよう、環境が改善されることを願うばかりです。