コラム

ドーピングの基本

ドーピング検査で何を調べるのか

ドーピング検査の際に確認するのはドーピング禁止物質の有無ですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。ドーピング禁止物質は世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が公表する「禁止表国際基準」(the List)に掲載されています。

The 2017 Prohibited List International Standard(英語原本)

禁止物質としては、例えば、テストステロン(蛋白同化男性化ステロイド薬)、エリスロポエチン(ペプチドホルモン)、フロセミド(利尿薬)、タモキシフェン(ホルモン調節薬)、エフェドリン(興奮薬)、副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)、インスリン(代謝調節薬)、モルヒネ(麻薬)などがあげられます。

禁止物質の品目数は240種類以上にもわたりますが、

”例として以下の物質があるが、これらに限定されるものではない。クレンブテロール、選択的アンドロゲン受容体調節薬(SARMs;アンダリン、オスタリン等)、チボロン、ゼラノールおよびジルバテロール[S1.2その他の蛋白同化薬より]”

上記のような表記が含まれているものもあり、実に曖昧なリストといえます。また、禁止表国際基準には「監視プログラム」というものも掲載されており、このリストも大変重要です。

”世界アンチ・ドーヒング規程(4.5)では「WADA は、署名当事者及び各国政府との協議に基づき、禁止表に掲載されてはいないが、スポーツにおける濫用のパターンを把握するために監視することを望む物質について 監視プログラムを策定するものとする。」と定めています。監視プログラムに掲載される物質は、WADA が監視することを必要と位置付けた物質であり、当該年における禁止物質ではありません。[禁止表国際基準 日本語訳版より抜粋]”

監視プログラムに記載されている物質は濫用のパターンを把握するという、監視目的で掲載しているものなので、当該年度においては摂取をすることで失格となることはありません。しかし、今後禁止物質として指定される可能性があるため、継続的に摂取する際には注意が必要です。なお、この禁止表国際基準は年に最低1回は改定されるため、その都度、必ず確認しておくことをおすすめします。