コラム

ドーピングニュース

海外製のサプリメントには危険がいっぱい!「オスタリン」とは

2017年5月、USADA(米国アンチ・ドーピング機構)より、陸上競技者であるイマニ・オリバー選手(アメリカ)の尿検体から「オスタリン(Ostarine)」と呼ばれるドーピング禁止物質が検出されたという報告がありました。
原因は、日常的に摂取しているサプリメントにオスタリンが混入していたことにあるようです。アメリカではこの数年、オスタリンによるドーピング違反が後を絶ちません。
今回は、日本ではあまり耳慣れないオスタリンについて解説していきます。

■オスタリンとは
オスタリン(Ostarine)とは、SARM(選択的アンドロゲン受容体調節薬)と呼ばれる、ホルモンが引き起こす副作用を極力なくすよう開発された物質群の1つで、蛋白同化作用があります。
例えば、筋肉量を増やすためにテストステロン等の男性ホルモンを使用すると、筋肉だけに働きかけて筋肉量を増やすのではなく、精巣等の他の臓器にも働きかけ、精子減少といった余計な作用(副作用)も引き起こしてしまいます。
一方、オスタリンは筋肉量を増やす目的で使用した際は、精巣等の他の臓器にはほとんど働きかけず、筋肉増加作用だけを引き起こす可能性が高い物質です。
オスタリンを代表とするSARMは、副作用の少なさから医療業界において今後、骨粗鬆症や性腺機能低下症の新薬になるのではないかと期待されていますが、まだまだ研究段階の物質群です。

WADA(世界アンチ・ドーピング機構)が発行する禁止表国際基準では、2008年からSARMが「S.1蛋白同化薬」の一例として、2015年からオスタリンがSARMの一例として明示されるようになり、2017年現在も使用が禁止されています。

■なぜオスタリンによる違反が続いているのか
理由は様々ですが、例えば違法な手段でオスタリンを仕入れ、何かのサプリメントに混入し、販売しているケースがあります。そして、その製品を「合法ステロイド」と、あくまでも安全であるかのような表記で販売しているのです。
その他にも、オスタリンの別名である「enobosarm」「MK-2866」「GTx-024」等に表記を変更した上で販売しているケースも存在します。
オスタリンは、アメリカの通販サイトで簡単に購入できる製品であることから、オススメするような表現をしているブログが多数あります。しかし、上記でも述べた通り、人への有用性や安全性が確認できていないため、重大な副作用が出る可能性も否定できません。
海外製の製品を使用する際は、口コミだけを信じるのではなく、薬剤師、栄養士、トレーナー等に安全性や有効性を確認してから使用するようにしましょう。