コラム

インタビュー

選手インタビューNo.3/一谷奈歩選手

「東京五輪でホッケーFeverを!」

中学校時代から現在まで各世代の日本代表に選出され、東京五輪での活躍が期待されている女子ホッケーの一谷奈歩選手。「成長するために、常に自分と向き合うことを大事にしている」と語る一谷選手に女子ホッケーの魅力、東京五輪への意気込み、そして、アンチ・ドーピングについてお話を伺いました。

1.日本の女子ホッケーの魅力は走力とプレスの粘り強さ

—一谷選手はなぜホッケー選手になろうと思ったのですか?

一谷選手
6歳からホッケーをしながら中学生になってからは陸上もしていました。陸上では、中学2年生の時に全国大会にも出場しました。全国大会に出場したこともあり、高校の推薦では、陸上は3.4校から声がかかっていました。一方で、ホッケーでは声がかかりませんでした。そのことで、逆に自分の中で反発精神が生まれて、中学3年生の時にホッケーでユースの代表に選ばれて見返してやろうと思いました。実際に中学3年生の時に、ホッケーでユースの日本代表にも選ばれたので高校は陸上ではなく、ホッケーを続けようと決めました。あとは、純粋に6歳から競技をしていたこともあり、ホッケーが好きでしたね(笑)

—ホッケーを通じて大事にしてきたことは何ですか?

一谷選手
私は、日本代表に選出されたり、落選したりということを経験して、周りの評価で自分のモチベージョンやメンタルがブレブレになる時期がありました。良い評価をしてくれる人もいれば評価してくれない人もいるので、監督や周りの先輩の評価を気にし過ぎると本来持っている自分の力を出せなくなってしまいます。なので、「他人軸の評価に左右されずに今の自分が前の自分よりもどれだけ成長しているか」を、競技を続けていく上、パフォーマンスを高めていく上で大事にしています。今は、結局は向き合うべき相手は自分かなと思うようになりましたね。

—女子ホッケーの魅力について教えてください。

一谷選手
ホッケーの魅力はボールスピードやパワーというダイナミックさの中にある細かい繊細さが魅力だと思います!女子ホッケーは、男子ホッケーよりもジャイアントキリングが多いイメージはありますね。女子はチームの雰囲気や流れで結果が左右されやすいからだと思います。あとは、日本の女子ホッケーが世界と勝てるとこは走力やチームとしてのプレスの粘り強さなので、粘り強さも魅力だと思います!

2.日本代表というプライドを持ってプレーする使命感。

—各世代の代表を一谷選手は経験していると思いますが、日本代表でプレーをすることに特別な想いはありますか?

一谷選手
大学3年生の時に日本代表に一回選ばれたのですが、初めて世界レベルの選手達と試合をした時に「これは無理や」「もう今のままでは世界と戦えない」と純粋に思ってしまいましたね。悪い意味で衝撃を受けてしまい、その時はかなり落ち込みました。今でもその時の情けなさが残っているので、今は代表で戦う時はプライドを持って戦っています。

—日本と世界の差を具体的に教えてください。

一谷選手
オランダなどのヨーロッパや強豪国と日本の差は、一番は身体能力ですね。特に瞬発力や身体の大きさは勝てないです…。攻撃面で言うと組織的なパスワークは特に差を感じますね。あとは、アルゼンチンだと男子はサッカー、女子はホッケーが国技とされているぐらいのでホッケーにおける国の文化や環境の違いもあると思います。日本では、少年団でホッケーを体験できるとこはありますが、国内で体験できるとこは現状少ないです。試合観戦できるとこも東京の駒沢オリンピック公園以外だと岐阜の川崎重工ホッケースタジアム、立命館大学の茨木キャンパス、奈良、広島、栃木と地方が多いですね…。(笑)観客の数や競技人口は全然違うので世界との差はプレーだけでなく環境面はやっぱり感じますね。

代表での試合は普段の試合と比べて何が違いますか?

一谷選手
国際大会は試合会場の雰囲気も違い、観客の数も多いため緊張感は違うかなと思います。代表は特に今は東京五輪に向けて力を入れているのがわかるし、正直東京五輪のチャンスを逃したらホッケー界はもうチャンスがないんじゃないかなと思っています。試合の結果ももちろんですが、プレーを通じて「ホッケーが見ていて楽しいと思ってもらえるようなスポーツにしないと」という使命感は代表でプレーする時はありますね。

—五輪で活躍するために一谷選手がルーティンでしていることはありますか?

一谷選手
自分の中でルーティンは結構ありますね。朝の体重測定、朝に青汁と牛乳を飲むことは欠かしていないです。健康思考が確立してきていますね(笑) ホッケーのシーズンは3月~12月なのですが、1.2月は代表のシーズンになるのでオフシーズンがないんです…(笑)なので、シーズンが長いこともあり、いかに疲労を溜めないかということを意識しています。プロテインを始めたこともあり、疲労度は社会人になってからの方が抜けやすくなってきました。疲労を溜めないために、自分の身体のことをよく知っていることが大事だと思います。

3.ドーピングの対策をする上で認証マークと専門家は欠かせない存在

—社会人になってから、プロテインを飲み始めたと言っていましたが、プロテインは何を基準に選びましたか?

一谷選手
プロテインはチームと代表でサポートしていただいているトレーナーさんの推薦で選んでいます。自分では全然分からないので…。疲労をもっと抜きたいと思ってトレーナーさんに相談したのが、プロテインを使用するようになったきっかけです。

アンチ・ドーピングの認証については知っていますか?

一谷選手
マークのやつですよね?(笑)知っています!社会人になってプロテインを飲み始めてからなので2年前に知りました。認証マークがあるかないのかは、見ましょうと過去に言われたこともあり、必ず見ていますね。マークがあるやつは安心感があります。選手はマークがある製品は絶対にドーピングに引っかかることはないと思っています。トレーナーさんも選手にサプリメントを勧める上でマークがあるかないかは意識しているそうで、マークがないやつは、パフォーマンスが上がると勧められても何か禁止物質が入っているんじゃないかと不安になりますね。

—スポーツファーマシストについては知っていますか?

一谷選手
3年前にスポーツファーマシストの存在は知っていましたが、私の周りにいないので相談したことはないですね…。風邪をひいて薬を処方してもらった時等、緊急の時にいてほしいというのはあります。薬局に駆け込んで薬剤師に聞いても分からないと言われたこともありました。なので、御社のLine@の存在は嬉しいです。Lineだとメールと違って気軽に相談できるので助かります。

—ドーピングを対策する上で実践していることはありますか?

一谷選手
自分で成分は見ますが、分からなすぎるのでトレーナーに相談をするかLine@を活用します。自分では、相談以外は対策しようがないですね(笑)
私は、認証のマークを信頼してサプリメントの購入をしています。パフォーマンスが向上するかつ、ドーピングに引っかからない製品、医薬品を専門家の人には勧めてほしいですね。ホッケーは団体スポーツなので、自分の筋力が上がったから個人競技みたいに結果が伴うかと言われればNOです。なので、ドーピングに引っかかるリスクを考慮してまで認証のないサプリメントを使用して競技能力を上げたいとかは思いませんね。

—アンチ・ドーピングの認知を広めるためには何が必要だと思いますか?

一谷選手
私もアンチ・ドーピングを意識しはじめたのは代表に選ばれてからですし、学生時代は認証マークも知りませんでした。ただ、学生でもドーピングの検査を受ける大会もあるので学生時代から、認証マークなどアンチ・ドーピングに関する教育は必要だと思います。陽性事例の報道を知ることや、自分の身近でドーピングが起こる等、自分ごとに落とし込む危機感を選手自身が感じないとなかなか自分で対策するまではいかないと思います。

4.東京五輪ではホッケーフィーバーを起こす

—今後の選手としてのビジョンと今月末にある日本リーグの意気込みを教えてください。

一谷選手

社会人になって3年目になりますが、これまで「チームに貢献できた!」と実感してシーズンを終えることはなく、自分の不甲斐なさを感じて終えています。
なので、今年こそは日本リーグは、シーズン最後の試合なので、どんな形であれ、「今年はよくできたな」という自分の中で実感を得てシーズンを終われるようにチーム、個人共に結果をだしたいと思います。
その後は、東京五輪で自分がその場に立ち、ホッケーフィーバーを起こしたいですね!メダル獲得は絶対です!開催国なのでホッケーみたいなマイナー競技にとってはチャンスだし、自分自身が東京五輪で活躍したい想いとそれを機に女子ホッケーという競技を広めていきたい想いの両方が今はあります。東京五輪を通じてフィーバーを起こし、キャチコピーみたいなのが生まれないかなと思っています(笑)

—最後にコラムを見ている人達へメッセージをお願いします。

一谷選手
選手は何十年前から世界で活躍することを目標にして人生をかけて競技を続けているのに、目標が達成する目前に意図していないドーピングが起きてしまうと人生が崩れてしまうぐらいの出来事になります。ドーピングによる資格停止期間が選手にとってどれぐらい重いのかということを選手に関わる関係者の人たちには知ってほしいです。12月22日、23日に駒沢オリンピック公園総合運動場で日本リーグの準決勝と決勝があります。(試合詳細)日本最高峰のホッケーをぜひ現地で体感してください!

【プロフィール】

一谷奈歩(いちたになほ)
立命館大学出身
ソニーHCブラビアレディース所属

ホッケーが盛んな地元の影響で、6歳からホッケーを始める。中学生時代には陸上1500mで全国大会にも出場した運動量を生かしてポジションはMF。高校ではインターハイ2位、主将を務めた大学4年生の時にはインカレ10年ぶりの優勝へ導く。中学生の頃からU-15、18、ジュニアと各年代の代表に選出され、大学3年生時フル代表に初選出。大学卒業後、多くの日本代表選手、そしてオリンピック選手を輩出する強豪ソニーHCブラビアレディース所属。2020年東京五輪での活躍を目指す。