コラム

ドーピングの基本

WADAは何をしている団体?

WADA、JADA、IOCなどドーピングには様々な団体が関連しています。今回はWADAにフォーカスをあて、存在意義や事業内容などについて解説します。

WADAができた理由

スポーツにおける最古のドーピングの記録は1865年のアムステルダム運河水泳競技だと言われています。その後、正式にドーピング検査が実施されたのは、1968年のグルノーブル冬季オリンピックとメキシコ夏季オリンピックの時でした。1960年代は、IOC(国際オリンピック委員会/1894年設立)を中心にアンチ・ドーピング活動を行っていましたが、アンチ・ドーピング活動は中立性が重要かつ、社会全体が一丸となって取り組む課題であることから、1999年にIOCから独立することとなり、WADA(世界ドーピング防止機構)が設立されました。

WADAの主な事業

1999年に誕生したWADAの本部はカナダのモントリオールにあります。主な事業として、世界ドーピング防止規程(The World Anti-Doping Code)の策定・改定・履行 、抜き打ちドーピング検査の実施、分析設備の科学的・技術的基準の統一(分析機関の認定)、ドーピング防止教育の普及、RADO(地域ドーピング防止組織)発展の促進、各種競技大会へ独立オブザーバーの派遣などを行っています。いわば、ドーピング防止活動を担う世界のトップ機関です。
WADAに加盟している団体がJADA(日本アンチ・ドーピング機構)、USADA(アメリカ・アンチ・ドーピング機構)、UKAD(イギリス・アンチ・ドーピング機構)、CCES(カナダ・スポーツにおける倫理センター )などの各国のドーピング機構です。基本的にはWADAの選定するルールに則って運用をしています。なお、日本のアンチ・ドーピング機関であるJADA(日本アンチ・ドーピング機構)では、国内ドーピング検査の標準的手順の作成、ドーピング・コントロール・オフィサー(DCO、検体採取の現場を管理する検査員)の認定、ドーピング・コントロールの実施、アンチ・ドーピング教育などを行っています。

アンチ・ドーピングの新たな組織の設立へ

オリンピズムを奨励し、オリンピック・ムーブメントを主導することを使命としているIOCは、2016年10月、ロシアでの国家ぐるみのドーピング問題を契機に、国際競技連盟(IF)から独立した新たな検査機関の創設の提案をしました。この提案では、WADAは国際的なアンチ・ドーピングへの取り組みにおける監察的な役割を維持した新たな機関の新設を行うとしています。そして同年11月、WADAで開かれた理事会において、規定に反した各国・地域のアンチ・ドーピング機関への制裁強化の項目とともに本提案は承認されました。承認の段階では、2018年の平昌オリンピックまでに新機関を設立させる話で進んでいましたが、2018年3月現在、まだ確認できていません。しかし、近い将来、新たな組織が設立されることは間違いないでしょう。1日でも早く、クリーンなオリンピックとなることを願ってやみません。

関連記事:もしもドーピング検査で陽性結果が出たら